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天井が高い家は好きですか?


(フジワラユカ/コンテンポラリー風水コンサルタント)

こんなテレビCMがありますよね。「天井が高い家にしてよかったわね〜」という妻。それに対して「本当は天井の低い家が好きだった…」と心の中でつぶやく夫。マイホームに対する妻と夫の本音がコミカルに描かれています。皆さんはどちらに共感しましたか?
妻の本音である「天井は高い方が良い」という方が一般的というか世間の声に近いのではないかと思います。天井が高い家は開放感があるし、天井が高い家は高級感があるし、天井が高い家は…。私はこのあたりで言葉に詰まってしまいますが(笑)。ということで、今回は「天井の高さ」について一緒に考えてみましょう。

天井は高い方が良いという認識はどこからきたの?

諸説あると思いますが、家屋の歴史が関係しているのではないかと思います。
日本の大昔の住居といえば、竪穴式住居や高床式住居などがありますが、近世まで庶民の住居は大きい概念では変わりなく、間口が小さく、天井も低いものでした。住居は元来、身を守るためのシェルターのよう性格を持っていたので、開放的ではない方が安全だったわけですね。室町時代には書院造のような開放的な建築様式が登場しますが、公の建物や階級の高い人の住居でした。広い敷地と大工さんの高い技術があってこそ可能になる建物ですから、特別なものだったに違いありません。まさに富裕層の住居だといえますよね。天井が高く開放的な住居は富裕層の暮らしの象徴的なイメージとなり、「憧れ」として深い意識に、もしかしたらDNAに刻まれてきたのかもしれません。

天井の高い家のメリット・デメリットを考えてみよう

高い低いを語る前に、天井の高さの標準を知っておきましょう。標準的な天井の高さは2m20cm〜2m40cmで、建築基準法では天井高2m10cm以上の部屋を「居室」と呼ぶそうです。また、マンションでは2m40cmの天井が多いそうです。興味があったらご自宅の天井の高さを測ってみてください。

本題に戻りますが、天井の高い部屋のメリットはなんといっても「開放感」と「高級感」。そして採光が取り入れやすいことから「明るさ」が挙げられます。ではデメリットは何でしょうか?「冷暖房費がかかる」、規格外の天井高だと窓やカーテンなどがオーダーメイドになり「コストがかかる」、掃除や電球の取り替えなど「メンテナンスが大変」などが主なデメリット。「コストやメンテナンスの大変さはお金で解消できるから心配ない!」といえばそうですね(笑)。

私は、天井の高さゆえのメリット・デメリットは、お部屋の機能と合わせて考えるのが良いと思っています。天井が高いことによって私たちが感じる体感はどのようなものか、逆に天井が低いことで感じる体感はどのようなものか?を考えてみると部屋から受け取る恩恵が大きくなりますよ。

天井を高くしたい良い場所、低くしたい場所は?

天井が高いと「開放感」があり、天井が低いと「落ち着く」と言う特徴は、裏を返すと、天井が高いと「落ち着かない」、天井が低いと「開放感がない」になりますね。例えばトイレで優先したいのは「落ち着く」と言う体感ですよね。開放感を優先しても良いのですが、人間を含めて動物は本来落ち着いた場所で用を足す本能があります。ですからトイレには「落ち着き」を求める方が合理的であり、天井は高い必要はないでしょう。一方、リビングや玄関は「開放感」があると良いなと感じる人が多いかもしれません。とりわけ外からの美しい氣を迎え入れる玄関は広々と両手を広げるような雰囲気があると良いですね。その意味では天井が高くなくてもよく、中には玄関に「落ち着き」を求める人もいると思います。

このように機能だけでなく好みにもよりますが、トイレ、寝室、勉強部屋などは総じて天井が低い方が良いと思います。天井が低いことで安全で落ち着いた空間になります。また集中しやすい傾向になるため、トイレでは用を足すことに集中、寝室では睡眠やロマンティックなパートナーシップに集中、勉強部屋では勉強や仕事に集中しやすくなります。天井が高い寝室には天蓋がかけられている場合もありますよね。天蓋は天井を低くして落ち着きをもたらす効果を発揮しています。風水が整った部屋のインテリアにも意味があるのです。

色々お伝えしましたが、天井は高ければ良いと言うことではありません。部屋の機能と体感を優先し、メリハリをつけて考えられるのが一番良いと思います。開放的な空間と時間、安全で落ち着く空間と時間、その両方を持ち合わせていれば大変有利!部屋の多様性が人生の味方になってくれることと思います。

(風水コンサルタント フジワラユカ)