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風水コラム ライフステージ別の風水 ⑨|「親の介護」に慌てないための「実家」の整え方


(フジワラユカ/コンテンポラリー風水コンサルタント)

このコラムの読者の中には、現在高齢の親御さんの介護をなさっている方、あるいは今後の介護について不安を感じられている方がいらっしゃると思います。かくゆう私も、認知症の母の「近距離介護」を3年続けています。実は編集人として介護情報誌を担当していたこともありました。そうした意味では介護業界の素人ではありませんが、当事者になってみると心が平穏ではいられないことも多々あるものですね。今日はライフステージの中でも多くの人が経験する「親の介護」に関して、家の環境をどのように整えていくと大事な家族とあなた自身が充実感を持って人生を生きられるか、私の経験談も踏まえながらお話ししたいと思います。

一軒分の荷物は想像を超えるほど大量!遺品整理が進まずに身動きが取れなくなることも

親御さんを看取った後のお宅の風水コンサルティングでは、遺品整理が進まず、心も体も停止中のクライアントさんに何度か出会いました。皆さん一様に「こんなに大量に片付けないといけないものがあるなんて…」とおっしゃいます。その量に圧倒されて思考停止になってしまうのだと思います。そして、昔々の品々と対面していく作業はそれなりに大変です。亡くなられた後のは処分のつきにくいものなので、お元気な時からできる範囲で良いのでご家族と相談しながら断捨離を進めていかれるのが理想的です。「これは今使う?」「これって必要?」と訪ねながらどんどん作業を進めていきます。整理整頓をしてくれるのは誰にとっても気持ちよく嬉しいものです。長い間所有してきた品々に触れながら思い出に一緒に寄り添う時間も作ってみてください。親孝行にもなると思います。

まずは実家で所有しているモノを把握し、少しずつ減らしていく

介護が必要かどうかは別として、高齢のご家族の家を訪ねた際にしておくべきは、所有するモノの中身と量の把握です。そして不要なものを少しずつ処分していくようにしてください。これには二つの意味で恩恵があります。一つは、不要なモノが減ることで物理的な障害物がなくなり「今」に相応しい新しいエネルギーを運び入れることができます。二つ目は、所有しているものを把握することで、何が収納してあるのかわからない大量の荷物を、意識の中で恐怖に感じる負担がなくなります。

私も母のサポート生活が始まった最初の年に実家の断捨離を行いました。年末年始を使い、今日は天袋と押し入れに集中しよう…というようにテリトリーを決め、中身を全て出し、使わない家電、カバンや衣類、他界した父の本など、母に確認しながら手放すものを決めていきました。リサイクルや不用品買取りサービスを利用したものもあります。ちょっと気合いが必要ですが、元気なうちはリズム感を持って動けますので、タイミングを逃さないように!収納スペースに余裕ができると、必要なモノへとアクセスがしやすくなります。それは母の認知症にも良い影響があるという実感もありました。主治医の説明によると、母の脳の萎縮は3年前から維持されているようです。これには風水の恩恵もあったと考えています。

高齢の親が寝起きする部屋は大きすぎない方がよく動線はシンプルでフラットが好ましい

足腰や認知能力に不安がある人にとって、自宅で自由に生活が続けられることは何よりだと思います。介護が必要になったらすぐに施設入居ではなく、自宅の環境を見直すことも一つ。私の場合はかつて仕事で取材した介護施設の環境設定を参考にしました。介護施設の居室で良いとされている広さ=約18㎡。決して広くはありません。寝室はそのくらいのお部屋にし、トイレやキッチンまでが平坦で距離が短い環境設定にしています。マンションなど元々そうした間取りだと有利です。必要なところには手すりをつけ、安全のための人感センサーなど防犯設備も取り付けました。サポートが必要になっても、母の自由な「おひとり暮らし」を極力邪魔しないよう実家を整えています。そして3年間、母の生活を観察してみると、家の中で視界に入らないスペースも増えていきます。ですから徐々に断捨離をしていくことは大正解でした。手すりや歩行器などは介護保険が適用できますので、お住まいの自治体の居宅介護支援センターでケアマネジャーさんと繋がりを持っておくこともおすすめします。高齢の人を支えるのは家族であるあなた一人ではありません。色々な社会のリソースを活用し、過度に背負いすぎないようにしましょう。

部屋のインテリアは植物の力も借りて、生き生き&カラフルに

高齢者のお宅では総じて新鮮なエネルギーが不足していきます。ベージュや茶色などはよく言えば落ち着いた印象で「土」のエネルギーが作用しますが、悪くすると「枯れた」エネルギーを放ちます。過去から時が止まったような空間になっていたらアップデートが必要です。換気やお掃除に加え、インテリアに彩りや新鮮なアイテムを配置することでお部屋にフレッシュなエネルギーを呼び込み、快適性を高めることが可能になりますよ。薄暗い照明は明るいものに変え、インテリアもカラフルにしてみませんか?私は実家の壁紙を何箇所か自分で張り替えました。クッションやラグも鮮やかなグリーンなど健康や若さに良いカラーを使い活力ある空間にしています。ビタミンカラーなどは元気が出ますのでポイントとして起用すると良いですよ。切り花や観葉植物も生き生きしたエネルギーを放ってくれますので、サポートできない時間帯も味方になってくれます。

いかがでしたでしょうか。施設入居より、同居介護や遠距離介護しやすい新たな住まいを探してみるのも選択肢の一つです。同居の場合は、サポートする人が自分の自由な時間を過ごせる快適な個室を持つようにしてください。親の介護について不安を抱えている方に実現可能なヒントとなっていましたら幸いです。

(風水コンサルタント フジワラユカ)